2018年2月12日月曜日

お勝手美術鑑賞から展示の意図に沿ってみる

2月11日の日曜日、横浜美術館のコレクション展に関する、学芸員さんによるレクチャーを聴いてきました。
もともとマグリットが好きで、そこからシュルレアリスム派の画家へ進んでいったのですが、今までは好き嫌いで観賞することがほとんどでした。
せっかく横浜美術館でシュルレアリスムのコレクション展が行われていて、解説が行われるということで出かけたのでした。

小難しい解釈が嫌いだった若いころに、自分の感じたままに鑑賞できる印象派、見方に正解のない、シュルレアリスムの絵に魅入られたという経歴(?)がありました。
しかし最近は各派の絵画を見て、そこに隠された意味や背景を学びつつ観賞をすることもそこそこ楽しくなってきていました。
で、今回のレクチャーを聴く気になったの訳ですが、参加して正解でした。
なんとなく理解していた、二つの全く違うものを合わせて全く違った意味を、化学変化のように生成するシュルレアリスムですが、もともと詩から行われてきたこととともに説明を受けてより理解が深まりました。
学芸員の坂本さん、中村さんそれぞれの切り口(展示)も楽しく、いつものように人目を気にせず吹き出してしまうこともありました。
レクチャーの後、絵を見に行き、ちゃんと(!)章ごとや絵画の説明を読み・鑑賞し、新たな楽しみ方を見つけました。

その後、きくたびプロジェクトのコンテンツを聴きながら、再度鑑賞しましたが、期待以上に楽しく、お勧めです。
そう、絵の前でイヤホンをして吹き出したり、難しい顔をしていたりしていたのは、私です。
楽しくなると周りを気にしなくなる、いつもの癖全開でした。
時間の関係からすべてのコンテンツを楽しむことはできませんでしたが、聴いた、0,1,5,6,7,12,そして、シュールしりとり、すべて楽しく聴き、そして観賞することができました。
お勧めです!
聴いていない残りを楽しみに、もう一度行きたいですね。

きくたびプロジェクト

現場でYoutubeにアクセスする必要が出ますので、スマホとイヤホンを忘れずに!
なお、FreeWifiが用意されていますので、そちらをご利用ください。


2017年12月3日日曜日

鎌倉の晩秋を歩いて

 暖かくなるという予報の12月3日(日)素晴らしいところだと伺っていたものの、訪れたことのなかった天園ハイキングコースの「とある場所」へ、紅葉を見に行ってきました。
 時間のない場合、北鎌倉から鎌倉アルプスのハイキングコースを歩き始めて覚園寺へ降りてきてしまうことが一番多いのですが、ご多分に漏れず、私もフルに歩いたことはなく、瑞泉寺のあたりは未踏破。
 正確に言えば、約20年前に自転車を担いで上がり、大平山から逗子の池子までマウンテンバイクで走ったことはありますが天園から鎌倉霊園に抜け、そのあと池子方面でしたので、瑞泉寺界隈はそもそも行ったことがないという情けない?状態でした。
 現在の居住地からであれば、逆方向から全行程徒歩で行けますので、9時に家を出ても余裕です。
 鎌倉宮の先は未訪問ゾーン。
 突然現れるテニスクラブでは、妙齢の男女が楽しそうに歓声を上げながらテニスに興じておりました。
 その先には永福寺(ようふくじ)跡地、そしてその先へ。
 じっとり汗をかくぐらいのピッチでコースを登ってゆき、その場所へ。
 いいところでした。
 望遠、なんちゃって魚眼を駆使していろいろ
と写真撮影してきました。
 15分もするとハイカーでいっぱいになってきたので退散し、次の目的地瑞泉寺へ。
 谷戸の奥にある静かなお寺で、ここでも紅葉の写真を何枚か撮り、ご本尊と並ぶ千手観音座像にご挨拶し、再び来た道を家へ。
ややピンが甘い
あたたかな日差しの中しっかり汗をかきいい運動とともに良い景色を堪能できました。
先日の福島もきれいだったのですが、さすがに運転しながら写真は撮れませんので、こちらは残念でした。







 
 
 
 

2017年11月26日日曜日

リカの日

なだらかな丘の続く阿武隈高原を望む
24日午後から福島県本宮市(旧白沢村)にある、母方の祖父母、親族の墓参りへ
20数年ぶりに行ってきました。
 せっかくですので、周囲の面白そうな場所を探して寄りながら帰宅することに。
 阿武隈山地は準平原のような浸食が進んだ形となっており、丘のようななだらかな山と谷が並ぶところです。
 高いところから見ると一目瞭然。
 そんな一帯は花崗岩質で、戦後しばらくまで長石、石英の材料としてかなり採掘されてしまったそうです。
 普通の花崗岩とは違い、結晶が大きく育っていることで目的の物質を集める効率が良いそうです。
 1か所目はそんな花崗岩の中でも特殊なペグマタイトの大きな鉱床そのものがご神体の鹿島大神宮へ。
 ここは天然記念物に指定されています。
 参道の両脇にそびえる杉も素晴らしい!
 神社のある丘の下まで埋まっているため、参道のそばに露出している石も白い花崗岩。
 年季の入った社殿ですが、舞殿があったりと、地方の小さな神社とは思えず。
 立派な石灯籠が北海道三井物産の寄贈となっており、このあたりの採掘で商売をされた恩返しということかな、と一人納得。
 露頭鉱床というものは見たことがなかったのですが、規模の大きさに驚きました。
 崩れる恐れのない、小さな石に触ってみましたが、普通の花崗岩より劈開面が分かりやすい石で、ひんやりしていました。
 ほかに訪れる方もほぼない、静かな所でした。
さて、次の目的地は行き先を検索しているうちに目に入ったリカちゃんキャッスルへ。
子供を連れていないアラフィフのおっさんが一人で訪れるとさすがにアブナイかと悩みましたが、製造ラインを見ることができるということでしたので、立ち寄ることに決定。最終目的地の到着時間に制限があったため、時間を自分に決めておきました。
 ちなみに、プラレールと同じく、2017年に誕生50周年ということで、本当なら私より年上?
 阿武隈高原の真ん中である小野町に開設した理由はわかりません。
 さて…
 地方都市に突然現れるお城!
キャッスル正面
観光地にありがちな施設によくある込み具合。
 リカちゃんの恰好をして走り回る女の子たち。
 昔を懐かしがるお母さんや、若い女性。
 つまらなそうな男の子と、彼ら用のプラレールルーム(さすが、タカラトミー!死角なし!)
 リカちゃんの大きさの理由や、歴史をさらっと読みましたが何分目的が「工場」ですので、あくまでも「さらっと」
 人目が気になったというわけではありませんよ!
 ラインは1階にあり、2階の回廊から下を眺めるイメージ。
この格好の女の子が走り回る
工場を見ると、リカちゃんキャッスルは工場建屋の外周の部屋と搬入出用途以外の1階エリアを使った施設と分かりました。
 来てみるまで、工場は別にあるのかと思っていましたが、工場そのものとは…。
 ラインといっても全手作業ライン。
 成形品であるリカちゃんの頭部に順に色をスプレーで塗っていくラインと、乾燥。
 次
に頭に髪の毛をミシンで縫い込む工程、縫い込むだけではだめで髪の毛を植えこんだ後、電気オーブンで熱処理して髪の感じを出すのだそう。
 ノウハウだ~(当然写真撮影厳禁)
 次に全手作業の組み立てと大きく分かれていました。
 でも、工場の半分は何もないがらんとした空間。
 きっと今はほとんどが海外製なのでしょう…
 もしかしたらここはもう、リカちゃんキャッスル限定品のためのラインなのかもしれません。
 運悪くお昼休みでライン点検をしている女性が一人いるだけ。
 お子様は、「お休みだからかな~」といっていましたが、ラインに置いてある石油ストーブが全部点火されていたことからお休み時間であることは理解しました。
 残念ながら時間がないので髪の毛を縫い込む、ある意味スプラッタな工程を見ることはなく、お土産を購入して最終目的地へ。
 磐越自動車道の東側を走ったのは今回初めてでしたが、阿武隈高原特有の丘の間を緩やかに上がったり下がったりと、景色が良く気持ちのいい道でした。
 勿論一般道が並走していますが、こんなにアップダウンを繰り返すのでは自転車でのツーリングは厳しそう、などと考えながら車窓を過ぎ去る紅葉を見つつ最終目的地のいわき市アンモナイトセンターへ。
 いわきは首長竜フタバスズキリュウが見つかったことで有名な街。
アンモナイトセンターへの道すがらそちらの施設もありましたが、今回は時間の関係からオミット。
 アンモナイトセンターは市営ということで大人710円と格安で発掘体験ができます。
 その分時間は1時間と短めですが、出ないものはいくらやっても出ないのは前回の神流町恐竜センターで経験済みなので、時間が短いのはある意味いいかもしれません。
 ということで、まず30分のレクチャーを受けるのですが、双葉層という地層のこと、この層から出てきたからフタバスズキリュウということ、それまでは日本で大型爬虫類の化石が出るとはだれも考えていなかったことなどの説明を受けました。
 説明員のかたがなかなかだじゃれ好きで子供に受けておりました。
 アンモナイトが見つかる確率は月に平均5個ということで、午前中にすでに発見されていることから統計上は見つけるのは難しそうということでしたが、アンモナイトが目的なわけではないのでチャレンジ開始!
イノセラムス
ここは基本砂岩のため、柔らかめ。
 狙ったところ以外の場所に亀裂が入って割れてしまうことも多々あり逆に難しかったです。
 大きな貝も見つけるのですが、上に開いた状態で化石化しているを発見してしまうと、と取り出すのはほぼ無理。
 伏せた状態の小さなものをいくつ
か採取したところで時間切れとなりましたが、楽しい作業でした。
 シャレも含めたリカに関する訪問でしたが、久しぶりに歩いたり景色を見る以外で外で楽しみました。
 写真を撮りませんでしたが、紅葉もきれいでした!


 
 

 
 

2017年9月3日日曜日

深海2017-DEEP OCEAN-へ

 夏休みも終わった最初の週末、上野の国立科学博物館で行われている深海展に行ってきました。
 実は当日、同じ上野の国立西洋美術館で行われているアルチンボルド展とハシゴすることになっていたのですが、どちらを先に見るのか決めておらず、2番手として訪れました。
 科博にやってきたのは11時。
 前売りチケットを持っていた私は直接入場待ちの列に並びましたが、この時点でチケット購入に20分待ち、入場の列に並んでから10分待ちました。
 思ったよりも混んでいないな、と思って地下の特別展示室に入った途端、!!!!

 とんでもない混雑です。
 しかし、一般的な混雑している美術展と同じで、皆さん元気な最初だけ細かく見ているようで、後になればなるほど展示の前に「かつてのパンダ舎のように」見物の行列ができることはありませんでした。
 最初のビデオブースは、NHK特集を見ていた方には画像はそのままですので微妙な感じ。
 実物標本が展示されているのですが、深海生物の標本、しかも小型生物なので、「標本になった時の変化の感じ」が分かる展示でした…
 いっそ模型を隣に置いたほうがよさそうです。
 ここと次の深さごとに並べられた生物標本のブースは展示前に列ができており、最初から列に入らないとしっかり見えない状態。
深海対策で樹脂埋め
でも、ここでも小さい生物がおおいため、大人は後ろのほうから十分鑑賞可能、と判断し、それでじーっと見ていました。
 立っているので、やむを得ないのですがぶつかるぶつかる。
 日本で最も混雑する車内を思い出しました(1989年ごろは営団地下鉄千代田線町屋西日暮里間が日本最悪区間、予備校への通学路…)。
炭酸のペットボトルで型取り
後半は大型の魚や掘削機械の展示などが増え、見やすくなっていきます。

 そして、後半になると、エンジニアの心と、地学を学んだ心に火が付きます。
 それにしても、断層掘削をおこなった地球深部探査船「ちきゅう」、7千m超の掘削とはとてつもない偉業であることを改めて再認識しました。
 科学とエンジニアリングの勝利!
 地震発生後のタイムリミットがある中での掘削、お疲れさまでした。
 それにしても、超硬合金や人工ダイヤのカッターが摩耗している様を見るにつけ、その過酷な状況が想像できます…。
 アウターパイプもとんでもないトルクを7千メータ以上にもわたって伝えるわけですから、重くもなる訳ですし、素材も工夫が必要です。
 掘削や温度計測にはその道では有名なS社が関わっていたということも分かり、この分野の難しさと彼らの技術力の高さを思い知らされました


 あまりこのような展示会ではお土産を買わないので、最近ちょこちょことやってしまう、海洋堂のガチャを2回実施。
 会場限定品が出たところで会場を後にしました。

 会場をでて地上に出ると台風一過の晴れの空。
 入場待ち、チケット購入待ちとも30分以上待ちの大行列でした。
 大人のみなさんは、平日昼間か、
夜間開館で訪れることをお勧めします…
左が会場限定品

 
 

2017年5月7日日曜日

息子と父親

 男の子は父親を超えていくものです。
 男の子は成長とともに絶対と思っていた父親のことが分からなくなります。
 父親の言っていることは正しいのか
 父親のやっていることは何なのか
 父親以外から父親の知らない事を知った

 そんな経験が積みあがってくるものです。
 それは息子の世界が広がり、物事を自分で判断できるようになりつつある証拠です。
 つまり息子がまっすぐ育っていけば必ず通過する時期で、その乗り越え方でその後の人生が決まると私は考えています。
 まあ、大抵は父親に反発し、怒ったり無視したりするようになりますね。
 ついには父親の人生の背景を理解できるまで成長して父親を許し、本当に「大人」になる。

 さて、私は息子に対する父親の究極の役割は「立ちはだかる壁」だと思っています。
 壁にぶつかり、苦悩したり・腹を立てたりしながら壁を回るか、よじ登るか、壊すか。
 その過程が大人になる息子に対する父親のできる最後の贈り物ということで。

 私も散々ぶつかりましたし、最後は泣かれましたっけ。

 到達点まで達した友人が御両親から祝っていただいた、という話をうかがい、乗り越えていった息子を祝福できる御両親と本人である友人に、心からの祝福の言葉を贈りたいです。
 一方わが父親は、まあ、そういう事に気が付かないのが「わが父親らしさ」なので、「らしく」生きていていただければそれ以上求めることはありません。
 そんな父親に祝福されたのはいつだったっけなぁ。
 
 友人がシェアしてくれた出来事から、ふと思い出したのでした。
 おまけに、私の目標も。
 「乗り越えるのが面倒くさい厄介な(いい意味で)大人」ですから。
 イメージとしては母校で教えていただいたK先生です。
 まだまだこれから頑張らなければ!

 
 
 
 
 

 

2017年5月3日水曜日

寓意だらけの絵画 ブリューゲル

「三つのしもべ」という言葉が浮かぶのは年のせい
NHK後援の「ミュシャ展」の後、朝日新聞グループ後援の「ブリューゲル バベルの塔展」を見てきました。
 何分バベルの塔時代の絵を対象としているので、イカロスの墜落とか、農民の婚礼といった昔百科事典で見たような絵はありません。
 正直言って、今回見たような寓意にあふれた絵を描いていたとは知りませんでした。
 (バベルや、前出の2作は名前と作品が結びついていませんでしたが)
 ということで、展示物はオランダ(昔の「ネーデルランド」)の他の作家の絵や木彫りの像などが展示されているという構成でした。

 キリスト教の像というと木工という印象はなかったので、木目がそのままの聖人たちの像が新鮮でした。
 小さい像に
来ている服の襞が美しく彫られているのを見て、日本の仏像彫刻のすばらしさを思い出しました。
 年代から考えると、日本は中国というお手本があった影響なのでしょうね。

金銭の闘いをステッカーに
さて、ボスの絵。
 実は彼の絵を意識して見たことがなかったので、ほぼ初見でした。
 含みのある絵はシュールなのですが、しっかりとした解釈があるところにマグリットのような解釈の定まらない(ない)絵とは全く異なります。
 これはこれで面白いと感じました。
 そしてブリューゲルの版画群。
貴方はなぜ壁向き?
個人的には金銭の戦い、大きな魚は小さな魚を食う、が気に入りました。
 金銭の戦いなんてまさに精緻に描かれたダジャレ
、と感じました。
 パトロンの求めに応じてボス風の絵を描いたということですが、隅から隅まで間違い探しのように楽しめるのでした。
シュール…

 さて、バベルの塔は流れながら見るスタイル。
 反対側の壁にある精密複製画でじっくりと見させていただきました。
 しかし、やっぱり牧歌的な絵の画家と結びつかないのでした。
 そして、いつもの通り余り物は買わずに(お高いボスのCD付豪華本にはかなり惹かれましたが)モンスターのガチャをやって終了でした。
とこれだけでは終わらず、帰宅してアマゾンにてタッシェン英語版のブリューゲル本をポチったというオチで終了しました。
届くの楽しみです。

 

ミュシャ展を見て

国立新美術館で行われているミュシャ展に行ってきました。
アールヌーボー調の柔らかい女性の絵ではなく、チェコに戻ってから描いた大作、スラヴ叙事詩がメインの展覧会です。
ゴールデンウイークの特別開館であったのですが、皆さんご存知で時間前に到着したのですが、既に100人以上が開場待ちで並んでおられました。

入場すると、すぐ音声ガイドを求める人の列に当たります。
通常の展覧会より多くの人が求めているように見受けられました(その理由はあとから分かったのですが)
その列をかき分け?本会場に入るとすぐ、スラヴ叙事詩の大作が並ぶホールでした。
既に会場には沢山の人が観賞中でした。
大きい作品なので、皆さん引いた位置で観賞。
作品の説明が左右と作品前にありますが、見ている所からは当然読めないので近づくことになりますが、そのおかげで作品に対してコの字型に人垣ができることになっていました。
音声ガイドを持っている方はそのままの位置で観賞されていたので、借り出しの列の意味が分かりました。
絵画としてはもちろん素晴らしいのですが、歴史的に蹂躙されたことの少ない日本民族であることを自覚しました。
色彩や明暗、絵画そのものでスラヴ民族の苦難が描かれており、主題も説明があるので理解できるのですが、描かれている人物名等を理解していればもっと心に来るものがあったのではないかと考えます。
宗教戦争の知識が少しはある私が絵から感じる無念や怒りより、きっと彼らが絵から感じる感情は強いと思います。
頭で考える感情と自分たちの民族が経てきた歴史からくる感情とでは、比べるべくもないでしょう。
やはりこれはスラヴ民族のための絵なのです。

しかし、不安、怒り、悲しみ、決意を訴えかける、強い目の表現。
イメージを強化するために空中に描かれる神などの象徴。
画面の中で受難の人々やキーとなる人を照らす強烈な光。
どれも素晴らしいものです。
撮影可の15作目イヴァンチツェ兄弟団学校
遠景の白くボケている建物や山などの描写も素晴らしいです。
個人的には9作目のベツレヘム礼拝堂の絵が暗い礼拝堂の中で燦然と光を浴びている人の印象が素晴らしいと感じました。
6作目の東ローマ皇帝として戴冠する…の一番前の丸顔のスラヴ女性も美しい!

パリ時代の作品では4つの花よりは、4芸術の方が私は好きです。
同じ絵の背景である青空
ヒヤシンス姫の美しさ・意志の強さはもちろんですが、折り曲
たくましい…

実は一番気に入ったのは、プラハ市民会館市長の間に書かれた壁画だったりします。
強い意志を示す主題となる人の表情、そして背景にいる副題の意味を象徴する人がかかれています。
闘う魂内、背景の戦士の眼力と構えた剣の力強さをはじめ、公正、堅固…どれも素晴らしい絵です。
げた肘に目が釘付けでした。
展示されているところを何度か回ってしまいました。
ミュシャが市長の間にいる人に「市長たる覚悟」をいつも思い出させる為の絵と感じました。
スラブ民族の歴史と誇りを忘れるな!そう言っているような。
背筋が伸びる、というべきか。
(気になる方は、グーグル先生に、「プラハ市民会館・市長の間」と聞いてください)

まだやっていますので、これから行かれる方はオペラグラス(死語?)を持ち、音声ガイドを借りることをお勧めします。