2017年9月3日日曜日

深海2017-DEEP OCEAN-へ

 夏休みも終わった最初の週末、上野の国立科学博物館で行われている深海展に行ってきました。
 実は当日、同じ上野の国立西洋美術館で行われているアルチンボルド展とハシゴすることになっていたのですが、どちらを先に見るのか決めておらず、2番手として訪れました。
 科博にやってきたのは11時。
 前売りチケットを持っていた私は直接入場待ちの列に並びましたが、この時点でチケット購入に20分待ち、入場の列に並んでから10分待ちました。
 思ったよりも混んでいないな、と思って地下の特別展示室に入った途端、!!!!

 とんでもない混雑です。
 しかし、一般的な混雑している美術展と同じで、皆さん元気な最初だけ細かく見ているようで、後になればなるほど展示の前に「かつてのパンダ舎のように」見物の行列ができることはありませんでした。
 最初のビデオブースは、NHK特集を見ていた方には画像はそのままですので微妙な感じ。
 実物標本が展示されているのですが、深海生物の標本、しかも小型生物なので、「標本になった時の変化の感じ」が分かる展示でした…
 いっそ模型を隣に置いたほうがよさそうです。
 ここと次の深さごとに並べられた生物標本のブースは展示前に列ができており、最初から列に入らないとしっかり見えない状態。
深海対策で樹脂埋め
でも、ここでも小さい生物がおおいため、大人は後ろのほうから十分鑑賞可能、と判断し、それでじーっと見ていました。
 立っているので、やむを得ないのですがぶつかるぶつかる。
 日本で最も混雑する車内を思い出しました(1989年ごろは営団地下鉄千代田線町屋西日暮里間が日本最悪区間、予備校への通学路…)。
炭酸のペットボトルで型取り
後半は大型の魚や掘削機械の展示などが増え、見やすくなっていきます。

 そして、後半になると、エンジニアの心と、地学を学んだ心に火が付きます。
 それにしても、断層掘削をおこなった地球深部探査船「ちきゅう」、7千m超の掘削とはとてつもない偉業であることを改めて再認識しました。
 科学とエンジニアリングの勝利!
 地震発生後のタイムリミットがある中での掘削、お疲れさまでした。
 それにしても、超硬合金や人工ダイヤのカッターが摩耗している様を見るにつけ、その過酷な状況が想像できます…。
 アウターパイプもとんでもないトルクを7千メータ以上にもわたって伝えるわけですから、重くもなる訳ですし、素材も工夫が必要です。
 掘削や温度計測にはその道では有名なS社が関わっていたということも分かり、この分野の難しさと彼らの技術力の高さを思い知らされました


 あまりこのような展示会ではお土産を買わないので、最近ちょこちょことやってしまう、海洋堂のガチャを2回実施。
 会場限定品が出たところで会場を後にしました。

 会場をでて地上に出ると台風一過の晴れの空。
 入場待ち、チケット購入待ちとも30分以上待ちの大行列でした。
 大人のみなさんは、平日昼間か、
夜間開館で訪れることをお勧めします…
左が会場限定品

 
 

2017年5月7日日曜日

息子と父親

 男の子は父親を超えていくものです。
 男の子は成長とともに絶対と思っていた父親のことが分からなくなります。
 父親の言っていることは正しいのか
 父親のやっていることは何なのか
 父親以外から父親の知らない事を知った

 そんな経験が積みあがってくるものです。
 それは息子の世界が広がり、物事を自分で判断できるようになりつつある証拠です。
 つまり息子がまっすぐ育っていけば必ず通過する時期で、その乗り越え方でその後の人生が決まると私は考えています。
 まあ、大抵は父親に反発し、怒ったり無視したりするようになりますね。
 ついには父親の人生の背景を理解できるまで成長して父親を許し、本当に「大人」になる。

 さて、私は息子に対する父親の究極の役割は「立ちはだかる壁」だと思っています。
 壁にぶつかり、苦悩したり・腹を立てたりしながら壁を回るか、よじ登るか、壊すか。
 その過程が大人になる息子に対する父親のできる最後の贈り物ということで。

 私も散々ぶつかりましたし、最後は泣かれましたっけ。

 到達点まで達した友人が御両親から祝っていただいた、という話をうかがい、乗り越えていった息子を祝福できる御両親と本人である友人に、心からの祝福の言葉を贈りたいです。
 一方わが父親は、まあ、そういう事に気が付かないのが「わが父親らしさ」なので、「らしく」生きていていただければそれ以上求めることはありません。
 そんな父親に祝福されたのはいつだったっけなぁ。
 
 友人がシェアしてくれた出来事から、ふと思い出したのでした。
 おまけに、私の目標も。
 「乗り越えるのが面倒くさい厄介な(いい意味で)大人」ですから。
 イメージとしては母校で教えていただいたK先生です。
 まだまだこれから頑張らなければ!

 
 
 
 
 

 

2017年5月3日水曜日

寓意だらけの絵画 ブリューゲル

「三つのしもべ」という言葉が浮かぶのは年のせい
NHK後援の「ミュシャ展」の後、朝日新聞グループ後援の「ブリューゲル バベルの塔展」を見てきました。
 何分バベルの塔時代の絵を対象としているので、イカロスの墜落とか、農民の婚礼といった昔百科事典で見たような絵はありません。
 正直言って、今回見たような寓意にあふれた絵を描いていたとは知りませんでした。
 (バベルや、前出の2作は名前と作品が結びついていませんでしたが)
 ということで、展示物はオランダ(昔の「ネーデルランド」)の他の作家の絵や木彫りの像などが展示されているという構成でした。

 キリスト教の像というと木工という印象はなかったので、木目がそのままの聖人たちの像が新鮮でした。
 小さい像に
来ている服の襞が美しく彫られているのを見て、日本の仏像彫刻のすばらしさを思い出しました。
 年代から考えると、日本は中国というお手本があった影響なのでしょうね。

金銭の闘いをステッカーに
さて、ボスの絵。
 実は彼の絵を意識して見たことがなかったので、ほぼ初見でした。
 含みのある絵はシュールなのですが、しっかりとした解釈があるところにマグリットのような解釈の定まらない(ない)絵とは全く異なります。
 これはこれで面白いと感じました。
 そしてブリューゲルの版画群。
貴方はなぜ壁向き?
個人的には金銭の戦い、大きな魚は小さな魚を食う、が気に入りました。
 金銭の戦いなんてまさに精緻に描かれたダジャレ
、と感じました。
 パトロンの求めに応じてボス風の絵を描いたということですが、隅から隅まで間違い探しのように楽しめるのでした。
シュール…

 さて、バベルの塔は流れながら見るスタイル。
 反対側の壁にある精密複製画でじっくりと見させていただきました。
 しかし、やっぱり牧歌的な絵の画家と結びつかないのでした。
 そして、いつもの通り余り物は買わずに(お高いボスのCD付豪華本にはかなり惹かれましたが)モンスターのガチャをやって終了でした。
とこれだけでは終わらず、帰宅してアマゾンにてタッシェン英語版のブリューゲル本をポチったというオチで終了しました。
届くの楽しみです。

 

ミュシャ展を見て

国立新美術館で行われているミュシャ展に行ってきました。
アールヌーボー調の柔らかい女性の絵ではなく、チェコに戻ってから描いた大作、スラヴ叙事詩がメインの展覧会です。
ゴールデンウイークの特別開館であったのですが、皆さんご存知で時間前に到着したのですが、既に100人以上が開場待ちで並んでおられました。

入場すると、すぐ音声ガイドを求める人の列に当たります。
通常の展覧会より多くの人が求めているように見受けられました(その理由はあとから分かったのですが)
その列をかき分け?本会場に入るとすぐ、スラヴ叙事詩の大作が並ぶホールでした。
既に会場には沢山の人が観賞中でした。
大きい作品なので、皆さん引いた位置で観賞。
作品の説明が左右と作品前にありますが、見ている所からは当然読めないので近づくことになりますが、そのおかげで作品に対してコの字型に人垣ができることになっていました。
音声ガイドを持っている方はそのままの位置で観賞されていたので、借り出しの列の意味が分かりました。
絵画としてはもちろん素晴らしいのですが、歴史的に蹂躙されたことの少ない日本民族であることを自覚しました。
色彩や明暗、絵画そのものでスラヴ民族の苦難が描かれており、主題も説明があるので理解できるのですが、描かれている人物名等を理解していればもっと心に来るものがあったのではないかと考えます。
宗教戦争の知識が少しはある私が絵から感じる無念や怒りより、きっと彼らが絵から感じる感情は強いと思います。
頭で考える感情と自分たちの民族が経てきた歴史からくる感情とでは、比べるべくもないでしょう。
やはりこれはスラヴ民族のための絵なのです。

しかし、不安、怒り、悲しみ、決意を訴えかける、強い目の表現。
イメージを強化するために空中に描かれる神などの象徴。
画面の中で受難の人々やキーとなる人を照らす強烈な光。
どれも素晴らしいものです。
撮影可の15作目イヴァンチツェ兄弟団学校
遠景の白くボケている建物や山などの描写も素晴らしいです。
個人的には9作目のベツレヘム礼拝堂の絵が暗い礼拝堂の中で燦然と光を浴びている人の印象が素晴らしいと感じました。
6作目の東ローマ皇帝として戴冠する…の一番前の丸顔のスラヴ女性も美しい!

パリ時代の作品では4つの花よりは、4芸術の方が私は好きです。
同じ絵の背景である青空
ヒヤシンス姫の美しさ・意志の強さはもちろんですが、折り曲
たくましい…

実は一番気に入ったのは、プラハ市民会館市長の間に書かれた壁画だったりします。
強い意志を示す主題となる人の表情、そして背景にいる副題の意味を象徴する人がかかれています。
闘う魂内、背景の戦士の眼力と構えた剣の力強さをはじめ、公正、堅固…どれも素晴らしい絵です。
げた肘に目が釘付けでした。
展示されているところを何度か回ってしまいました。
ミュシャが市長の間にいる人に「市長たる覚悟」をいつも思い出させる為の絵と感じました。
スラブ民族の歴史と誇りを忘れるな!そう言っているような。
背筋が伸びる、というべきか。
(気になる方は、グーグル先生に、「プラハ市民会館・市長の間」と聞いてください)

まだやっていますので、これから行かれる方はオペラグラス(死語?)を持ち、音声ガイドを借りることをお勧めします。



2017年3月19日日曜日

変化点2011年3月11日

 2011年3月11日は寒い日でした。
冷たい北風が吹きつける曇りの日。
 小さい頃からいやなことがあると、天災が起きたらどうなるんだろう、などと暗い考えを持つことがありました。
 小さい頃は、学校が火事で焼けちゃえば学校ないのに、というレベルの幼い空想でした。
 大人になっても自分では避けえない嫌な事に直面した時、程度の差こそあれ、似たような空想をしたことはありました。
 でも、それはつかの間心を逃がすための空想に過ぎないはずでした。
 そしてあの日、本当にそれは起きました。
 当たり前ですが、私が空想したところで震災が発生するわけではありません。
 でも、起こらないことだからこその空想だったはずですが、実際に起きてしまうとその空想をした経験自体に罪悪感を感じることとなりました。
 自分が逃げたい事から逃げられないからする空想。
 誰かが今でも言うことがあります。
 「台風が直撃して会社が休みになれば良いのに」、そんなたわいのない空想でも本当に起こったら誰かが悲しむ事が必ずどこかで起きる。
 間接的でも誰かが悲しむ様なことを望む。
 それがたとえ単なる空想だとしても、考えすぎだとしても、私にはそんな空想はもうできません。
 行動をする代わりに破滅的な空想などをする自分は最低でした。

 それから与えられた生を暗い空想をして浪費するのはやめにしました。
 生きている私にはできる、震災で夢も希望も全て途中で理不尽に奪われた数多くの人に比べたら。
 私にはできるはず、自分で自分にタガを嵌めているだけ。

 そう考えて新たに動き出してから6年。
 まだまだこれから。

2016年6月26日日曜日

メアリー・カサット展にて

 2016年6月25日(土)から横浜美術館にて開催されているメアリー・カサット展に行ってきました.

 初日の昨日は完全休養としていたのでいつもとは違って2日目に最初の訪問です.

 10時少し過ぎて到着したので,開館待ちの方がちょうど全員建物の中に入ったところでした.
 本年度も横浜美術館協力会の会員であるおかげで,会員証提示で入場できます.
ということで,20人近く並ばれているチケット購入の列をすっ飛ばして入場させていただきました.(スミマセン)

 印象派が好きな方が多いという日本人に漏れるどころか完全にその中の人なので,画集が少なく,絵のやわらかいカサットをじっくり見ることができる,というのは,はずすことのできない機会なのです.

 女性らしくやわらかいタッチ,そしてやさしいまなざしの絵が多く,機会があれば見に行かれることを強くお勧めします.
 母子像はほのぼのしてしまいます.
 油彩もすばらしいのですが,晩年のパステルもとてもすばらしいです.
 人物の表情は緻密に,そして衣服などは大胆に省略されています.
 しかしそれでも主題はきっちりと表現されています.
 絵心のない私にとっては信じられない,の一言です.

 他の女性印象派画家の絵や,関係の深かったドガの絵もあり,こちらもお勧
めです.
 私個人としては,ベルト・モリゾの絵もあり正に2度おいしい?展覧会です. 
 これから各メディアで紹介されると混雑しそうですので,行かれるのでしたら早めか平日がお勧めです.
 また,チケットショップで前売りを購入するなど少しでもお安く,楽に入場できるよう工夫されたほうが良いと思います.
 
 そんな中,話題になっている初来日の絵ではなく,私はとある絵の前で釘付けになりました.
 理由はわかりませんが,その絵を見ていたら涙が出てきて止まりませんでした.
 落ち着いて一度通り過ぎ,ソファに座って遠くから眺めていても何かが私の中で揺り動かされるのでした.

 昨年,横浜美術館で行われた企画展示,蔡國強展:帰去来で,ビデオ作品を見たときも同じような経験をしました.
何かくれそうなおじさんに移動した雀
この企画展は何度も見に行きましたが,私の反応が変わる事はなく,結局理由はわからずじまいでした.
 その理由を見つけるためにも,この企画展に何度も行くことになりそうです.

 今年から会員証提示で半券をも
らえる(券を買っていないので本来半券がない)ので,それを頂き,昼食はタイアップ企画を利用させていただきました.

 ところで,横浜美術館周辺ではベンチに座って何かを食べ始めると雀が寄ってきます.
巡回しに来た鳩
そのうちいなくなりますが,次に鳩が寄ってきます.
 どちらも鎌倉の鳶のように攻撃(?)してくる事はなく,様子を見ているだけですが,誰か餌付けをしたのでしょうね.
 美術館のベンチ,屋根もあって日光も雨も防いでくれますのでお勧めです.
 
 
 

 

政治家のお仕事とは

 イギリスが国民投票でEUからの離脱を選択しました.  もちろん,国を二分してしまったので本当の意味で選択したのかどうかはわかりません.
 民主主義は利益の引っ張り合い,と私は理解しています.
 それが良いか悪いかとは別にして,事実はそういうものだと理解しております.
 だから,目の前のわかりやすい利害に振られることなく,一見わかりにくい様な,将来にわたる国のための判断をするのが政治家の仕事と理解しています.

 最終的になぜ国民投票としてしまったのか.
 イギリスは政治では歴史のある国ではなかったのでしょうか…
 まだきちんと調べていないのではっきりした事はわかりません.
 ただ,疑問だけが頭の中にあります.

 なぜ…