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2017年5月3日水曜日

寓意だらけの絵画 ブリューゲル

「三つのしもべ」という言葉が浮かぶのは年のせい
NHK後援の「ミュシャ展」の後、朝日新聞グループ後援の「ブリューゲル バベルの塔展」を見てきました。
 何分バベルの塔時代の絵を対象としているので、イカロスの墜落とか、農民の婚礼といった昔百科事典で見たような絵はありません。
 正直言って、今回見たような寓意にあふれた絵を描いていたとは知りませんでした。
 (バベルや、前出の2作は名前と作品が結びついていませんでしたが)
 ということで、展示物はオランダ(昔の「ネーデルランド」)の他の作家の絵や木彫りの像などが展示されているという構成でした。

 キリスト教の像というと木工という印象はなかったので、木目がそのままの聖人たちの像が新鮮でした。
 小さい像に
来ている服の襞が美しく彫られているのを見て、日本の仏像彫刻のすばらしさを思い出しました。
 年代から考えると、日本は中国というお手本があった影響なのでしょうね。

金銭の闘いをステッカーに
さて、ボスの絵。
 実は彼の絵を意識して見たことがなかったので、ほぼ初見でした。
 含みのある絵はシュールなのですが、しっかりとした解釈があるところにマグリットのような解釈の定まらない(ない)絵とは全く異なります。
 これはこれで面白いと感じました。
 そしてブリューゲルの版画群。
貴方はなぜ壁向き?
個人的には金銭の戦い、大きな魚は小さな魚を食う、が気に入りました。
 金銭の戦いなんてまさに精緻に描かれたダジャレ
、と感じました。
 パトロンの求めに応じてボス風の絵を描いたということですが、隅から隅まで間違い探しのように楽しめるのでした。
シュール…

 さて、バベルの塔は流れながら見るスタイル。
 反対側の壁にある精密複製画でじっくりと見させていただきました。
 しかし、やっぱり牧歌的な絵の画家と結びつかないのでした。
 そして、いつもの通り余り物は買わずに(お高いボスのCD付豪華本にはかなり惹かれましたが)モンスターのガチャをやって終了でした。
とこれだけでは終わらず、帰宅してアマゾンにてタッシェン英語版のブリューゲル本をポチったというオチで終了しました。
届くの楽しみです。

 

ミュシャ展を見て

国立新美術館で行われているミュシャ展に行ってきました。
アールヌーボー調の柔らかい女性の絵ではなく、チェコに戻ってから描いた大作、スラヴ叙事詩がメインの展覧会です。
ゴールデンウイークの特別開館であったのですが、皆さんご存知で時間前に到着したのですが、既に100人以上が開場待ちで並んでおられました。

入場すると、すぐ音声ガイドを求める人の列に当たります。
通常の展覧会より多くの人が求めているように見受けられました(その理由はあとから分かったのですが)
その列をかき分け?本会場に入るとすぐ、スラヴ叙事詩の大作が並ぶホールでした。
既に会場には沢山の人が観賞中でした。
大きい作品なので、皆さん引いた位置で観賞。
作品の説明が左右と作品前にありますが、見ている所からは当然読めないので近づくことになりますが、そのおかげで作品に対してコの字型に人垣ができることになっていました。
音声ガイドを持っている方はそのままの位置で観賞されていたので、借り出しの列の意味が分かりました。
絵画としてはもちろん素晴らしいのですが、歴史的に蹂躙されたことの少ない日本民族であることを自覚しました。
色彩や明暗、絵画そのものでスラヴ民族の苦難が描かれており、主題も説明があるので理解できるのですが、描かれている人物名等を理解していればもっと心に来るものがあったのではないかと考えます。
宗教戦争の知識が少しはある私が絵から感じる無念や怒りより、きっと彼らが絵から感じる感情は強いと思います。
頭で考える感情と自分たちの民族が経てきた歴史からくる感情とでは、比べるべくもないでしょう。
やはりこれはスラヴ民族のための絵なのです。

しかし、不安、怒り、悲しみ、決意を訴えかける、強い目の表現。
イメージを強化するために空中に描かれる神などの象徴。
画面の中で受難の人々やキーとなる人を照らす強烈な光。
どれも素晴らしいものです。
撮影可の15作目イヴァンチツェ兄弟団学校
遠景の白くボケている建物や山などの描写も素晴らしいです。
個人的には9作目のベツレヘム礼拝堂の絵が暗い礼拝堂の中で燦然と光を浴びている人の印象が素晴らしいと感じました。
6作目の東ローマ皇帝として戴冠する…の一番前の丸顔のスラヴ女性も美しい!

パリ時代の作品では4つの花よりは、4芸術の方が私は好きです。
同じ絵の背景である青空
ヒヤシンス姫の美しさ・意志の強さはもちろんですが、折り曲
たくましい…

実は一番気に入ったのは、プラハ市民会館市長の間に書かれた壁画だったりします。
強い意志を示す主題となる人の表情、そして背景にいる副題の意味を象徴する人がかかれています。
闘う魂内、背景の戦士の眼力と構えた剣の力強さをはじめ、公正、堅固…どれも素晴らしい絵です。
げた肘に目が釘付けでした。
展示されているところを何度か回ってしまいました。
ミュシャが市長の間にいる人に「市長たる覚悟」をいつも思い出させる為の絵と感じました。
スラブ民族の歴史と誇りを忘れるな!そう言っているような。
背筋が伸びる、というべきか。
(気になる方は、グーグル先生に、「プラハ市民会館・市長の間」と聞いてください)

まだやっていますので、これから行かれる方はオペラグラス(死語?)を持ち、音声ガイドを借りることをお勧めします。



2016年6月26日日曜日

メアリー・カサット展にて

 2016年6月25日(土)から横浜美術館にて開催されているメアリー・カサット展に行ってきました.

 初日の昨日は完全休養としていたのでいつもとは違って2日目に最初の訪問です.

 10時少し過ぎて到着したので,開館待ちの方がちょうど全員建物の中に入ったところでした.
 本年度も横浜美術館協力会の会員であるおかげで,会員証提示で入場できます.
ということで,20人近く並ばれているチケット購入の列をすっ飛ばして入場させていただきました.(スミマセン)

 印象派が好きな方が多いという日本人に漏れるどころか完全にその中の人なので,画集が少なく,絵のやわらかいカサットをじっくり見ることができる,というのは,はずすことのできない機会なのです.

 女性らしくやわらかいタッチ,そしてやさしいまなざしの絵が多く,機会があれば見に行かれることを強くお勧めします.
 母子像はほのぼのしてしまいます.
 油彩もすばらしいのですが,晩年のパステルもとてもすばらしいです.
 人物の表情は緻密に,そして衣服などは大胆に省略されています.
 しかしそれでも主題はきっちりと表現されています.
 絵心のない私にとっては信じられない,の一言です.

 他の女性印象派画家の絵や,関係の深かったドガの絵もあり,こちらもお勧
めです.
 私個人としては,ベルト・モリゾの絵もあり正に2度おいしい?展覧会です. 
 これから各メディアで紹介されると混雑しそうですので,行かれるのでしたら早めか平日がお勧めです.
 また,チケットショップで前売りを購入するなど少しでもお安く,楽に入場できるよう工夫されたほうが良いと思います.
 
 そんな中,話題になっている初来日の絵ではなく,私はとある絵の前で釘付けになりました.
 理由はわかりませんが,その絵を見ていたら涙が出てきて止まりませんでした.
 落ち着いて一度通り過ぎ,ソファに座って遠くから眺めていても何かが私の中で揺り動かされるのでした.

 昨年,横浜美術館で行われた企画展示,蔡國強展:帰去来で,ビデオ作品を見たときも同じような経験をしました.
何かくれそうなおじさんに移動した雀
この企画展は何度も見に行きましたが,私の反応が変わる事はなく,結局理由はわからずじまいでした.
 その理由を見つけるためにも,この企画展に何度も行くことになりそうです.

 今年から会員証提示で半券をも
らえる(券を買っていないので本来半券がない)ので,それを頂き,昼食はタイアップ企画を利用させていただきました.

 ところで,横浜美術館周辺ではベンチに座って何かを食べ始めると雀が寄ってきます.
巡回しに来た鳩
そのうちいなくなりますが,次に鳩が寄ってきます.
 どちらも鎌倉の鳶のように攻撃(?)してくる事はなく,様子を見ているだけですが,誰か餌付けをしたのでしょうね.
 美術館のベンチ,屋根もあって日光も雨も防いでくれますのでお勧めです.
 
 
 

 

2015年10月12日月曜日

春画展へ遠征

各駅からの距離(円表示)
9月中旬のころのような気候になる,ということで,かねてから予定していた春画展を見るため,文京区の永青文庫へ行ってきました.
 こちらはどの駅からも徒歩で10分以上あるということで,公式には有楽町線江戸川橋1a出口または,副都心線雑司が谷3番出口,目白駅からバス,となっています.
 私は地図を確認の上,面白そうな早稲田駅(3a出口)から歩いてみました.
 ちなみに,地図上では早稲田駅と江戸川橋はほぼ同じ.雑司が谷は坂を上がらなくてよいのですが,やや遠めといった感じです.
 実は,先日出かける予定だったのですが,横浜からは1時間以上かかるため,往復の時間を考えるとその後の予定に間に合わないことがわかったため,その日は諦めたのでした.
平日だったのに,惜しいことをしたのは後になってわかるおはなし….
当分カツは不要と思わせるサイズ

 歩く前に,お昼前となったので,腹ごしらえ.
 学生街の若者向きランチを頂きました.
 最近,ランチと調べると,ラーメンか,おしゃれなカフェのヒット率が高く,その間が生息域の私のようなおじさんは少々困る場合がありまして…というわけもあり,早稲田を選択したのでした.
 揚げたてで,ちゃんとした肉を使っており,「お化けのフライ」ということもなく,コストパフォーマンスは非常に高いものでした.
 しかも驚いたことに,脂っこくない!
 自分の半分も行かない若者が食事後にキャイキャイ言いながらたむろって居るのを見ると,自分が年を食ったことがよくわかります…ありがたや.

 さて,永青文庫に向かって出発しましたが,途中早稲田の近くで魅力的な古書店が,と思ったらブックカフェで特別に古書フェアが開催されており,ふらふらと….
(気になる方はCAT’S CRADLE で検索)
 これではいつまで経っても到着しないということで,後ろ髪を引かれながら店を後に目的地に向かいます.

 新目白通りを渡り,リーがロイヤルホテルを背にして坂を上がると,到着しました,永青文庫.
 あまり人が居ないなぁ,と油断して敷地内に入ったところ,野外特設トイレが目に入りました.
まさか,と思い,前売り券を切ってもらい中に入ると…!!!
 狭い空間にものすごい人でした.
入り口は人が居ないのでしたが
実際には大きな美術館で「混雑している」状態ほど人は居ないのでしょうが,いかんせんそこは狭い館内.

 4階の展示室から見始めるのですが,階段を上ったのと,はじめのところに空調がなく,人でごった返しているため,皆さん汗を拭き拭き鑑賞されていました.
 私は順番にこだわらない人なので,比較的空いている部分から鑑賞開始.
気が付いたら,案内の方も,「どちらから見ていただいても構いませんので空いているところからどうぞ」と案内はしていましたが,それに従っている人はほんの1割ほどでした.
 せっかく原画があるのに(特に4階の肉筆画)なかなか見ることができないこと,拡大した印刷物が展示されている(意味ないじゃん!)ということでやや欲求不満.
 階を降りていくとだんだん人がバラけてくるのですが,3階は印刷されたものになりやや数が増え,且つ部屋が狭いため難儀します.
2階が最後のフロアですが,展示物はごく少しだけ.
しかし,細川家で代々所有していたものがあり,「さすが大名」(しかも色数が多く,特別なもの)と思わせました.
 …でも,春画ですけど.

 でも,アメリカのアダルトなお店のような,あけっぴろげな健康的ないやらしさが春画のすごいところ.(されど春画)
しかも,世界的にも印刷物が庶民にいきわたっていないこの時代に刷られたこの春画が世の中に多数あったということを考えると,確かに江戸時代の日本はとんでもなく進んでいたことがわかります.
 
 日本ではそれを長い間評価していなかったのですが,今こうして国内でも春画の展覧会が開かれるという現状は興味深いことです.
 ちなみに,来場者は,男同士で来られたご老人,老夫婦,若いカップルのほか,若い女性がかなり来られていて驚くというか,何か納得してしまいました.

 実は私はこの展覧会の前に,浮世絵の本を古書店で購入していたため,目新しさ
というよりは実物を見る,というのが主眼になってしまっていました.
管理者に注目
ですので,今回のような混雑した状況では実物をじっくり見ることが叶わず,平日に訪れることができなかったのを悔やんだのでした.

2015年9月13日日曜日

仏教美術について学んでみる

 9/12に会員となっている,横浜美術館協力会主催の講演会,
で,購入したのがこの本
日本仏教美術の源流-法隆寺金堂と敦煌石窟の壁画-
を聴講してきました.
 仏教美術については知らないことが多く,そもそも仏様はお釈迦様だけしか知らない私にはとても勉強になりました.
 倫理学では,「教祖」であるガウタマシッタールタのことしか勉強しませんので….

 それにしても,いくら唐の時代で同じとはいえ,法隆寺金堂と中国の敦煌で同じ様式の絵が描かれているとは,もちろん時間差は10年単位であったのだろうけど,日本と中国は文化でつながっていたことを考えると,感慨深いものでした.
 仏様が印を結んでいたり,座り方の差で見分けられる事をはじめて知り,仏像マニアとまではいかなくても,少し興味が出てきました.

 それにしても,かつて,古文・漢文が好きだったことを思い出し,いまだにこの「理系文系ミックス体制」は変わらないのだなぁ,とふと考えたのでした.
 無駄に「脳」力消費しているのかもですね!
 

2015年7月26日日曜日

芸術への欲求

 金時山の登山で魂を洗濯し,温泉で体を洗濯(?)したあとは,魂に栄養を,ということで,山を超えて箱根外輪山の中に入り,ポーラ美術館で開催されているセザンヌ展に立ち寄りました.

金時神社のマサカリ
…じつはその前に,金時山の外輪山内の麓にある,金時神社にも立ち寄ったのですが,なんと誰もいらっしゃらなく,社殿内をガラス越しに覗くと何もない状態….
WEB上では金時神社の御朱印情報があったので,まさかこんな状態とは思いませんでした.
 気を取り直して,参詣を行い目的地のポーラ美術館へ.
 ポーラ美術館は森の中にある,とてもきれいな建物です.
 印象派の絵画を多数所蔵していることで有名なので一度は訪れてみたいと思っていたのですが,いかんせん観光地の中にある場所ですので,なかなか足が向きませんでした.
 今回,金時山に登ることですぐ近くまで来ましたので,訪れることができました.

やっとこれました!
正直私はセザンヌという画家に対しては有名な静物画を書いた人,ルノアールと親しかった,というぐらいの知識しかなかったため,実質じっと見ることは初めてでした.
 同時代の画家と交流があり,お互いに影響を与え合いながら画風を確立していったのは理解できますが,一度画壇から遠ざかって再び戻ってきてから人気が出たのはわかりますが,「近代画家の父」と呼ばれるようになった理由はよくわかりませんでした.
 熱狂的な愛好家でも会ったピカソが言った,というのはわかりましたが.
美しい建物(の入り口)

 美術館所蔵のルノアールやモネの絵も見てシアワセな気分で美術館を後にしました.
もう少し行きやすいといいのですが,それはあの場所であの建物で,という制約があるので仕方ないのですが.
 ちなみに,横浜美術館協力会の会員証で他よりも高い割引率にて入場することができました.
卑しい話ですが,やっぱり十分元は取れるものだ,と再確認しました.


 
 

2015年7月11日土曜日

制御できないものを使うアート

美術館前にて
別の用事で桜木町へいくことがありましたので,本日より開催されている,横浜美術館の企画展に行ってきました.

蔡國強展:帰去来|横浜美術館

 もちろん,横浜美術館協力会に参加しているので,無料です.

 展示されている作品数は少ないのですが,今回横浜美術館にて製作された大判の作品もあり,それなりに見ごたえがある展覧会でした.

 私のお勧めは,ホールに展示されている,行けば見ることができる,「夜桜」,そして,オオカミのぬいぐるみ(?)で作られている「壁撞き」です.
 夜桜は超大判の作品です.
作品の大きさがわかります
作品の前に立つと,その大きさに圧倒されます.
 退いて見て,水墨画のような桜の絵の繊細さに打たれ,近くに寄って見て,その火薬で焼き付けられた跡に驚く,そんな作品です.
 会場内で上映されているビデオ作品にて,御本人が御自身の作品を,「制御できない,偶然性を使ったアートだ」なる旨の発言をされていますが,十分計算された作品に見えます,そして細部に偶然性が宿っている,そんな風に感じました.
 この作品は撮影が許可されているのですが,カメラのファインダー越しに映った桜の繊細さにどきりとしました.

 壁撞きですが,99体のぬいぐるみ(とはいってもとてもよくできている)のオオカミがガラスの壁に向かって突進しているさまを作った作品です.
 まず,99体のオオカミに圧倒.
 なぜガラスの壁なのか,どうして壁に突進しているのか,オオカミを使ったのはどうしてなのか,
それらが解説を読んですべてわかりました.
 意味もさておき,そのダイナミックな作品に圧倒されます.
 99対のオオカミはひとつとして同じものはなく,それぞれが生き生きとした動きを見せます.
 もっとも伸びているもの,壁にぶつかって一番「ムギュ」となっているもの,なぜか私と目が合うものがいました.
 かがんだり,目の高さにいるもののそばに行ったりして,自分も壁に体当たりするオオカミの一頭になったつもりで作品を鑑賞するのも面白いと思います.
 さすがに,四つんばいまでにはなりませんでしたが,屈んでガラスの壁のほうを見ると,多数の仲間と共に,変えるのが難しい「壁」に向かっていく仲間意識のようなものを感じました.
 オオカミさんはオスメスまで作りこんであるのですが,それぞれ何体も顔を覗き込んでみましたが,性別と表情の差は見られませんでした.
 作者に会ったら,オスメスの比率に何か意味はあるのか聞いてみたいところです.

 上映時間が短いので,2本のビデオ作品もしっかり鑑賞することをお勧めします.
 蔡國強:帰去来では,作者が生きている意味について話す件があるのですが,なぜか感動してしまいました.

 作品数が少ないので,ささっと見終えることができますが,不思議と心に残るものがありますので,作品一つ一つをじっくりと鑑賞することをお勧めします.
 
 なお,コレクション展に,この展覧会名である,「帰去来」の大本になった陶淵明の詩に基づいた彫刻も展示されていますので,こちらもあわせて.
 帰去来ー陶淵明

2015年7月4日土曜日

2回目のマグリット展

乃木坂駅へ移動中
すでに一度マグリット展は鑑賞済みなのですが,無性にある絵の前に立ちたい願望が止めらなくなり,最終日1日前の6月28日に出かけてきました.
 前の日のサイト情報で,ただ今非常に混雑というお知らせが出ていたので朝一番に並んで入場,絵を独り占めすべく六本木へ向かいました.
 …と思ったら案の定早く到着しすぎ,門の前で待とうと思ったら!
 すでに数人並んでお待ちの上,日陰がない!
 ということで,屋内で待てる乃木坂駅へ移動しました.
こちらは,9時30分に開門するので,チケットをコンビニで購入済みの私はそのまま会場入り口へ.
すでに12名並んでいましたが,まあ大丈夫なレベル,ということで開場をそのまま待ちました.
 最終的には100名以上並んで待っていたので早めに行って待っていて正解でした.
 10時ほんの少し前に開場し,他の絵に目もくれずお目当ての絵の前へ.
 あまりに急に人がやってきたので,係りの方も少し戸惑い気味でした.
 さて,その絵とは,「自由の入り口で」.
 縦2388mm横1854mmの大作です.
 これの横の小型バージョンを見たことがあったのですが,これはカタログによると,部屋の壁用に請われて縦の大判に描いたものだそうです.

 なぜか夢にまで見てしまったこの絵.
 昔はそんなに好きな絵ではなかったのですが,とても気にかかる絵になっていました.
 この絵の8面に描かれているのはこれまでのマグリットの絵でモチーフとされることの多いもの.
その前に大砲があり,まるで破壊せんとしているようにも見えます.
 この絵には,マグリットの「今までの絵から新しい表現へ向かいたい,変えてみたい」という願望がこめられているように感じました.
 (事実この後絵からは他の表現が出てきてます)

自由の入り口で
今の現状を打破したい,そんな感じ取った感情に私の今の状態を重ねて,「気になる絵」になったようです.
 
 誰もまだやってこない美術館で約10分ほど絵の前に立ち,ぼんやり上のようなことを考えていました.
 人がやってきたので,また別の絵,「ガラスの鍵」へ移動し,絵の前にある椅子に座ってじっくりと堪能しました.
 訪問2回目の私はその後,あちこち見たいものを見たい順にうろうろして楽しみました.
 前回は1995年,今回は2015年.
 次回また20年後にこれらの絵に会えることを祈って,会場をあとにしました.

 今回の滞在時間は1時間30分ほどでしたが,退場前には絵の前に3重の人垣ができている状態で,人気のほどがうかがえました.
 巡回先の京都ではどうなんでしょうか.

 20年待たずに,ベルギーに見に行ってしまうのもいいのかもしれません.

 

2015年6月14日日曜日

川口起美雄展の最終日に見にいく

 本日まで平塚市美術館にて開催されていた,川口起美雄展に行ってきました.
平塚市美術館
きっかけは,見ていなかった日曜美術館を昨夜見ていたところ,一緒に録画したアートシーンで紹介されていたためです.
 そのときの反応「あ,明日までじゃないか!」
 ということで,平塚行きが決定した次第.

 駅から歩くと結構距離がありますが,途中平塚八幡様などを見ながら(裏には抜けられませんので注意)たどり着きました.
 来場者はとても少なく,しかし作品は大判のものもありゆっくりと楽しめました.

 川口氏は,幻想的な絵画で知られているそうです.
 私には一部マグリットを彷彿とさせるような絵もありました.

 初期は,ざくろ,石,丸い物体,櫂,鳥といった共通のモチーフが使われている幻想的な絵が多く,途中,ドームのある塔や花を描いたものがあったり,最近では写実的に見えて,現実とは異なる不安な要素や,問いかけるような題がつけられている絵がありました.

 私は,鉄道の操車場とそこにいるウサギを描いた別れのワルツ,
ヒヤシンスの水耕栽培容器の上にサイがいる,ヒヤシンス,
海とそのはるか向こうに見える工業地帯を描いた,ある感情
などがよかったです.

 会場の平塚市美術館ですが,非常に立派な建物で,府中市美術館ともども,市で美術館を維持できるのはいったいいかなる努力があるのだろう,と考え込みました.

博物館敷地内れているD52とその説明 コンクリ?
関係ありませんが,1階の資料コーナーで洋画の本を一通り見てから美術館を後にして,途中博物館の敷地を経由し,平塚八幡様を詣でてから帰宅しました.
 住んでみるといろいろあるのでしょうが,平塚はなかなかいい町である,と再認識した訪問でした.
 



 
御朱印帳を忘れるという失態に気がついた八幡様

2015年5月31日日曜日

参加してみた-2

 本日で会期終了してしまいましたが,横浜美術館で,石田尚志さん,の「渦まく光」展が行なわれていました.
 5/13に閉館後の美術館にて,学芸員の方の解説付きで展覧会をゆっくり見られる「夜の美術館でアートクルーズ」に参加してみました.

 そもそも,水曜日という曜日は製造業ではよくある「定時退勤日」なのですが,私にとっては大抵「定時に退勤できない(いつものように)日」ですので,参加するという強い意思で定時を迎えたのですが…
 何もなければ30分は余裕を持って到着するはずが,開始10分前に滑り込み.
 私の後に来た人は1人だけでした.

 この企画展を企画した学芸員の方からいろいろ説明を受けながら誰もいない夜の美術館で作品を鑑賞するというのは,通常ありえない状況ですので,作品以外にも注意が行ってしまいます.
 しかし,展示されている解説を読んでもわからない背景をその作品の前で教えていただけるのはとてもよい経験でした.
 
 30名でぞろぞろ回るので,なんとなく一体感が生まれ,学芸員の方も徐々にトークが盛り上がってきていました.

 何でも,このような会だと話が盛り上がって(?)時間が押してしまうため,一緒に回っているほかの方がタイムキーパーをしているのだとか.
 ところで,なんとなく一体感がでた一同ですが,私のように「素直に(子供のように?)」楽しんでいるのはほぼ半数でした.
 いい年した中年のオッサンが子供のように楽しんでいるのもどうかとお思いでしょうが,私は「楽しいと思ったことはとことん楽しむ」のが信条のため,人目など気にしません.
 おかげさまで十分楽しませていただきました.
 ちなみに,私の鑑賞態度からか,学芸員さんに「以前見にこられてますよね?」と図星を指されてしまいました.(この日が2回目でした)
 帰りに「割引」の誘い文句に負けて図録まで購入してしまいました.

 帰って読んでみると説明していただいたことが書いてあったのですが,やっぱり作品の前で聞いて,その場で改めて鑑賞するのには換えがたいと思いましたので,次回もこのような機会に参加してみたいと思いました.

 会期は終わってしまいましたが,どこかで見る機会があれば,ぜひ石田さんの作品を鑑賞してみてください.
http://yokohama.art.museum/special/2014/ishidatakashi/

サポートしてみる

 かつて,子供が小さいときに横浜の動物園で募集している,アニマルペアレント,という制度で金沢動物園のキリンを「推し」たことがあるのですが,今年になっていくつかサポート活動に参加しています.
 1:鶴岡八幡宮の「槐の会」
 http://enjunokai.jp/

 年齢と共に,「日本人であること」について意識が変わってきたため,参加を決めました.

 2:横浜美術館協力会
 http://yokohama.art.museum/about/support/collaborate.html

  自分が心地よい場所として横浜美術館へ足を運ぶことが多いため決めました.
 早速,特典を利用して,本日までの企画展にチケット以外で1回入場させていただきました.

 緩やかですが,サポートすることで参加している意識ができ,よりよい関係(といっても私からだけの一方的なものですが)がもてるような気がします.

 ところで,動物好きの方は,前出のアニマルペアレント,お勧めです.
 年に一度感謝,ということでサポートした動物の飼育舎や裏側へ回れ,さらにその動物が好きになります.
 おかげでいまだに私はキリンが好きです.
 
 

2015年4月30日木曜日

マグリット展に行ってきました

 超現実主義(シュルレアリスム)が好きなわたしですが,中でも最も好きなマグリット展が国立新美術館で開かれているので,六本木アートナイトで開館時間が延長しているのを狙っていってきました.

欲しい…

 マグリット展


 前回もここでマグリット展があったのですが,小規模すぎて欲求不満がたまることになりましたが,今回は大規模な回顧展ということで,ゆっくりのんびり見ることを狙って開館時間の長くなるアートナイトを狙っていったのですが,結果からいうと絵の前に行列ができて思うように鑑賞出来ないというほどではないですが,混んでいたということになります.
 マグリットは日本では人気のようですね.
 とにかく,たくさん見たことのあるもの無いものひっくるめてたくさんの絵を見たいという欲求を満たすべく乗り込んだのでした.
 
 会場はマグリットの絵の変遷を時代ごとに5つに分けて展示してあります.
 Ⅰ初期作品
いつものように,最初は皆さん熱心に解説を読まれるため,少々渋滞….
 ここでは見たこの無かった「心臓の代わりに薔薇を持つ女」がよかったです.昔父親の持っていたムード音楽のレコードジャケットがこんな感じのタッチの絵だったような….
Ⅱシュルレアリスム
 おなじみの作品がたくさんあります.
 うれしかったのは,「恋人たち」のバージョン違いが並べてかけられていたこと.
 しかし,どちらも顔に布がかけられているので不安感や想像力を掻き立てられること請け合い.
 そのほか巨人の時代,新聞を読む男の実物が見られるのがGood.
 見たことの無いものとしては,
 「呪い」
 青空に雲が漂う美しい絵.しかし,題は「のろい」.イメージの裏切りを画面に単語が無いバージョンで行っているもの
 「恋人たちの散歩道」
 夜の町の空に青空が書かれている大小2枚の額縁つきの絵が描かれている.
 辺りは夜でも散歩している恋人たちには空は青空に見えるのだろうな,とほほえましさを感じる絵


 図録にはある,軽業師の休息は,展示がありませんでした.
こちらのように結構図録にはあっても展示が都合で行われなかったものが結構ありますので,図録だけ手に入れた方はご参考までに.


 Ⅲ最初の達成
 風景画が風景の前においてあるシリーズがあり,中でも「人間の条件」の実物を見ることができてうれしい限り.
 ここにはあからさまにエロティックな絵があるコーナーがありますが,中でも,女性の体の一部分の絵を並べて前身を思い起こさせる「永遠の明証」の実物があり,つくづくすごいことを考える人だと思いました.
 このセクションにはそれこそ有名な
「透視」「陵辱」「アルンハイムの地所」などがあります.
 驚いたのは,マグリットが依頼肖像画を描いていたということ.
肖像画ですがチャンと超現実してます.
「哲学者のランプ」は水彩画だったとは知りませんでした.
実物を見て,マグリットの絵の巧みさに改めて気がつきました.
「自由の入り口で」はこんな大判であるとは知りませんでした.


…さて,だらだらいくらでも書けてしまうので,このあたりにしますが,実物を見る機会はめったにないので,絵のタッチや額装も確認するのもオツです.
マグリットの絵の額はみんな簡素(シンプル)なものばかりですのでご確認あれ.

 マグリットを知っている人も,知らない人も楽しめるマグリット展,確かなことは,すべてをゆっくり見るにはかなりの時間がかかるということです.
会期末になって混んでしまうとさらにひどいことになりかねません.
また,展覧会によくある,いすが少なく,座って休む,ボーっと作品を鑑賞する,ということができません.
マグリットが撮影したというとてもシュールな映像も展示されているので,いずれにしても朝早く行って一日かけてみてくるのがいいかもしれません.
(再入場はできませんが)
 また,絵画保護のためということで,室温が低く設定されていますので,お気をつけください.
 
 私は買いませんでしたが,魚の部分が上下逆な人魚,赤いモデルのフィギュアが売っていました.(人気らしいです)
 私は,図録と,50X70の恋人たちのポスターを購入して意気揚々と会場を後にしました.
 できればもう一回ゆっくりと見たいですね. 


 ところで,大きな書店では図録を扱っていることを知り,衝撃を受けました.
重い図録を持って帰ってこなくてもよかったのです….
 これはショック,皆さんお気をつけて.
ブリマーさんの自信作ペールエール

2015年4月29日水曜日

参加することは楽しいこと

25日の土曜日,六本木アートナイトに絡めて展覧会をハシゴしましたが,そのうちのひとつがミッドタウンにあるデザインサイト21_21で開催されている単位展でした.
単位展案内


 単位展


 この展覧会,視点がとてもユニーク.
 さまざまな単位を目に見えるようにしたり,感じたりすることで新たな気づきが生まれるとのこと.
 たしかに,面白いのです.
 酒樽2つから小さいサイズに向かって分けていくとどれだけ数が増えるのか実際にそれぞれの実物をその数だけ並べたり,(最後はぐい飲みが約1600個)
かていのほうが重い

らぶ,よりあい
ひらがなフォントの「,」を1gとして,濁点なども含めて50音のフォントを重さに変換して言葉の重さを比べられるようになっていたり,


 1cmから100cmまでの長さをもつ代表的なものを順に並べて展示したり,
 来場者を撮影してピクセル数でカウント,スクリーンに近くなるとピクセルが荒くなり数が減るさまをリアルタイムで表示させたり.
 新たな単位を作ってみたり.
 ボールペンを,そのかける距離で表現した展示をみて,年間多数の赤いボールペンを消費しているという,友人のM重くんを思い出しました.
 彼は一体一年に何m分字を書いているのであろう??

このボールペンは400m
とにかく,へぇ,ほぉ,と感心することばかりで,まさにこれこそエンターテイメント(知的に楽しい)!

 さて,その気はなかったのですが,イベントの参加時間にちょうど見終わったのと予想以上に楽しかったため,軽い気持ちで参加することに.
六本木アートナイト特別企画「みんなで測る、単位展計測ツアー」

 
 要は,物が見つからず,展示できていない長さのものをみんなで六本木の街へ繰り出して探してみよう!というプログラムです.
 制限時間は1時間,ということで繰り出しました六本木の街.

 探し始めてわかったことは,通常はかなりキリのいい数字でものが作られていること.

石柱(90cm)
81cmとか,67cmなんてものはなかなか見つかりません.
 私が見つけたのが,六本木の街そこかしこに点在している石柱(90cm),東京メトロ乃木坂駅2番出口の駅表示(たて部分90cm),ミッドタウン裏のマンション境界に立っているポール地上高(81cm),ミッドタウン周囲の道路街頭の配線メンテナンス口カバー(67cm)
 しかし,どれも展示できそうもないものばかり.
 マンホールを測っても,微妙にサイズ違いだったりするのですが,かなりバラエティーがあることが判明しました,(しかし,車道の真ん中にあるものは測れない….

 見つけたらメールで送信することになっていたのですが,送ったのは石柱と配線メンテナンス口カバーのみ.
 と,ミッドタウンから出発して乃木坂方面からぐるっと回ってきたところで時間切れで会場に戻りました.
 
開口部カバー(67cm)
会場ではそれぞれ皆さんが集めて送信した画像を見ながら展覧会に出展したアーティストの投票でそれぞれひとつが選ばれることに.
 バット:85cm
 風呂場マット:90cm
 そのほか,ミッドタウンにあった,水槽,公衆電話台,ポール,エアコン室外機,道路標識の対角長さなど,いろいろ.
 いろいろなものがあり,みんなよく見つけたものだと感心することしきり.
 
 で,なんと90cm部門に私が送った石柱が選ばれ,記念品を受け取ってきました.
 ショップでグッズを購入したいと思っていたので,思わぬプレゼントに感謝です.
しかし,石柱は持って来れない
ので,会場に展示できませんが.

 このイベントに参加したことにより,単位展の企画意図を十分感じ,楽しむことができました.
 これからもいろいろと飛び込みで参加して楽しんでみたいと思います.


頂き物

2015年4月19日日曜日

石田尚志展に行ってきました

 横浜美術館で行われている石田尚志展に行ってきました。


 絵画を描きながら順次撮影するという映像作品が主でした。
 場合によってはアートアニメに分類される場合もあるようです。
 
 さて、前回、アートアニメを見に行った時には、作品の総時間を見て怖れをなし&計画的に美術館に訪問したのですが、今回は甘く見ていました。
 午後2時からではちょっと時間が足りませんでした。
 これから訪問を予定されている方は時間に余裕を持って行かれるとよいと思います。
 加えて、長時間物の作品が上映されている部屋に椅子が少ないので、いい靴を履いていかれる事もお薦めします。
 GWに向けて改善された方がいいと思いますが。
 さて、作品ですが、初期の「絵巻」の作品たちは、有機的な線が次々に変化していき、草の生命力を思わせるような作品でした。
 コマ撮りしているはずなのですが滑らかな動きでいったいどうやっているのか、不思議な感触にとらわれます。

 その次のフーガの技法は大作です。
 流れるように動いていく四角形と有機的な線。
コーナーテーマの「音楽」に合わせて主題として繰り返し扱われます。
 しかし、見ていていったいどうやって作っているのかまったくわからず。

 鑑賞室を出たところに展示してある膨大な絵を見て理解。
 一部光を当てているだけで絵ではないかと思ったところもすべて計算しつくされて描かれた絵であり、それが19分もの大作のため大量に描かれたことを理解して絶句しました。

 その後、作者本人が映りこむ作品へと移行していくのですが、時間が無くてじっくり見れず、再チャレンジです。
 じっくり見た中では
渦巻く光、白い部屋、reflectionが個人的に好きです。

一般受けしないのか、土曜とはいえ比較的空いていましたので、今のうちでしたら比較的ゆっくりと鑑賞できそうでおススメです。
 私は再チャレンジします!

 コレクション展もお勧めです。
 所蔵しているダリの作品がいつもと違う展示室に置かれているだけでもかなり新鮮。
 森村泰昌さんのフリーダカーロもおすすめです。
 こちらも次回じっくり見る予定です。



2015年1月31日土曜日

ホイッスラー展に行ってきました

 横浜美術館で行われているホイッスラー展を見てきました.
ホイッスラー展
ホイッスラー展

 
 私は人物画よりは風景画に惹かれました.
 しかもなぜか,エッチングや,ドライポイントなどの版画にです.
 色を廃したシャープな線で描かれたロンドンの風景に惹かれました.
 次に,ジャポニズムの絵画.

 ジャポニズムの風景画は浮世絵に影響を受けているため,見覚えがあるようなデジャブがありますが,描かれているのはイギリス.

 風景画
冬のみなとみらい

 ところで,ドライポイントには思い出がありました.
 中学生の美術の時間に,透明な塩ビ板の上にニードルでひっかいた記憶です.

 下絵を描いて,塩ビの板と重ねて貼り付け,塩ビの板から下絵に沿ってひっかく.
忘れていた記憶がよみがえりました.
 ちなみに,人物画だったような気がするのですがそこまでは思い出せませんでした.
 まさかホイッスラーを見に来て昔の記憶が呼び起こされるとは思っても見ませんでした.
 何となく,ドライポイントを身近に感じました.
 印刷のためのプレスはありませんが,今でも出来そう….
と無駄なアート心が起きあがりそうになりました.

 訪れた日は休日でしたがそれほど混雑していなかったので,ゆっくりと楽しむことが出来ました.
 まだ会期がありますので訪れてはいかがでしょうか.
 


 

2015年1月10日土曜日

ゲージツの区分に入る?アニメを見に

 会期があと3日という,神奈川県近代美術館葉山で行われている「東欧アニメを巡る旅」に行ってきました.

 東欧のアニメといえばストップモーションアニメや,風刺の効いているアニメで有名です.
 公式サイトの情報では全て見ると必ず半日以上かかってしまうというボリュームにおそれを抱きつつ,逗子駅を降り立ちました.
 本来はもっと早く訪れるはずだったのですが,諸般の理由で美術館到着は12時.
 美術館のレストランも混雑していたのでそのまま鑑賞開始.
 広い美術館に点在する画面でアニメが順に放映され,その周囲に解説とセルや背景の原画顔鋳てあるというスタイル.
 体育館の片隅に集まってテレビを見ている様で,最初はかなり違和感ありました.
 でも,見始めると面白いモノで全く気にならなく,自分の後ろに立ち見の人が沢山いても全く気が付かないのです.
 美術館ということですが,50インチプラズマや,20インチのテレビ,ipadで流しているモノもあり小さい画面を囲んでみているとお茶の間感覚で面白いです.
 隣の方がくすっと笑ったり,おお~と感嘆したり,変な一体感も生まれました.

 さて,あまりに長い作品もあるので一部しか放映されていないモノもありましたが,私が気に入ったのは,
 クロアチアは,ポリス・コラール監督の「ブーメラン」
 軍拡への風刺が効いていますが,軍拡を進めて一通り準備が出来て暇になると女遊びを始める指導者の描写が秀逸.

 
 ヨシュコ・マルシッチ監督の「わたしもあなたをあいしています」
 
 1分のショートフィルムなのですが,ナンセンス全開!
 なんだか分からないまま終わってしまい,「いったい何だったんだ」と思わせるところがミソ.
 リビングでくつろいでいると思われる初老の夫婦.
 夫が,「マリア…僕は」と言った途端家が崩れるほどの大爆発.
 再び夫が言おうとしても同じところで大爆発.
 
 
 最後に,「マリア,僕は君を愛しているよ」というと,妻が「わたしもあなたをあいしています」
 と言って終わる.

 ポーランドは,マレクスクロベツキ監督の「ダニー・ボーイ」
 唯一の首のある住人である主人公と,首のない町の人や恋人の話.
 ちょっと怖い話ですが,
 首がある=世界観を持っている,首がない=世界観がないということでしょうか.
 

 同じくポーランドのズビグニェフ・リプチンスキ監督「タンゴ」
 写真を使ったストップモーションアニメなのですが,部屋に出入りしてそれぞれ何かをしていく人がどんどん増えて…
 どんどん増えるのですが,それぞれは絶対ぶつからないように(たとえば同じいすに同時に座るようなことはない)なっており,増えるたびにどうなるのか期待と共に画像に引き込まれました.
 中に全裸の女性が手に何かを持ってきて,クロゼットからワンピースを取って着て,それから手に持った下着を履く,というパターンが出てきたとき,つい,
 「その順番なの?」とつっこんでしまいました.

 
 チェコはヤン・シュバンクマイエル監督の「対話の可能性」(一部)が一番のヒットでした.
 検索したら,やっぱりファンが多いのですね.
 全編もWEBで見ることが出来ました.
http://nicoviewer.net/sm7219200

 1982年公開作品ですが,大変素晴らしい!風刺だけではなく,どうなるのかドキドキしながら見ることが出来ます.
 見ることが出来るモノを全て見たときには午後4時でした.
 昼食を取ることもせず見まくってしまったのでした.
 最後にこの美術館からのながめが素晴らしいと評判でしたので,持参したカメラで夕方の写真を撮って帰路につきました.
 ロケーションが良いのですがその分交通の便は良くはありません.
 4時間以上必ずかかる事が分かっていた私は車で来て駐車料金を気にしたくなかったので電車とバスで訪れましたが、もう少し便が良いと助かるのですが.
16時の景色

 
 
 

12時の景色

2014年12月31日水曜日

アート人気のバロメータ

 私自身がアート好きのため,あちこち出かけてはこのブログに記録していますが,アクセス解析をすると,人気度がよく分かることが判明.
 やはり,現代アート,作者が若く評価が一定していない方は検索されないことがよく分かります.
その一方,海外の美術館の収蔵品を持ってくる展覧会や,日本絵画,浮世絵などは人気があることがよく分かります.
 このままずっと現代アートについてウォッチしていけば,そのうち私も著名(?)評論家,と言うことでしょうか??

 このあたりが情報発信ができるインターネットのおもしろいところですね.
来年は久し振りにビールの紹介を「まじめに」してみようかとも考えています.

それでは,皆さん,良い年を!

2014年12月27日土曜日

八木良太展 サイエンス/フィクション に行ってきました

 神奈川県民ホールギャラリーで行われている,八木良太展 サイエンス/フィクションに行ってきました.
 以前よりちょこちょこ現代アート展で見ている八木さんの個展です.
 いままで,こんなインスタレーションを見てきました.
 氷で作ったレコードをかける.時間が経つと溶けて音が消えていく…
 シャワーヘッドに取り付けられた指向性の高いスピーカーからシャワーの音が聞こえる.シャワーヘッドを持つとシャワーの音が聞こえ、音のシャワーを浴びる…
 

http://www.lyt.jp/

 この展覧会、写真撮影OKということで,勇んで愛機FZを持っていったのですが…
バッテリー容量がゼロ!Noooooooh!
 ということで急遽携帯で撮影することになってしまいました.

 この方の作品は電子機器を使う事が多く,こんな使い方があるのか,と関心することしきりなのです.
Cicada
XXポッドから垂れ下がったヘッドホンに抱きついている蝉の抜け殻.
そしてそのヘッドホンからはその蝉の鳴き声が流れているCicadaと言う作品.
 一つではなく、いくつもあり、それぞれ蝉の種類がちがうため、目をつぶっていると夏の林の中にいるようです.
 ランダムに鳴く(?)ため全部の鳴き声を聞くためにはそれなりにその場に居る必要があります.

 レコードを壁に取付け,先のとがったモノ(鉛筆、釘など)で溝をなぞることで音を聞くMegaphonia.
 手で持っている部分が遠いため,共振する鉛筆の方が良く聞こえるということに変に納得.
 最初説明を見ていなかったので何の展示か分かりませんでしたが,レコードのレーベル面に鉛筆の跡があったので気が付きました.



Timer

Timerという砂時計の砂の落ちる音を増幅して聞く作品.
 それだけ取り出して聴くとおそらくホワイトノイズと聞き分けられないと思いますが,実物を前にじっと砂の落ちる音を聴いているとなぜかリラックスしてきます.
 いくつか種類の違う砂時計があるのですが,残念ながら凡人の耳を持つ私には差が分かりませんでした.


Sphereの間

引き出したビデオテープやカセットテープを球に巻き付けてこれを回し,オーディオヘッドやビデオヘッドで読みとった音や画像を表示するVideoSphereとAudioSphere.
 どちらも以前見たことがありました.
 ホワイトノイズや砂嵐しか再生されないのですが,偶然何かが映ったり,意味のある音が出てくるのではないかと考えたりしました.






左はカセットテープを丸ではないリールに巻いたモノ.展示だけだったのですが,聴いてみたい作品です.

 このほかにも一同に作品が集まって居る上に会場が広いのでゆっくり楽しめます.
 カメラを持ってお出かけしてはいかがでしょうか.

 ちなみに、この日は午前中に横浜駅前で献血し,Baybikeでゆっくり(献血の後の激しい運動は厳禁!)と山下公園まで移動し,神奈川県民ホールまで行きました.
 クリスマス前のみなとみらいは楽しそうに歩く人々で一杯でした.





 
 

2014年12月6日土曜日

乗り捨てレンタサイクル考-東京自転車散歩

 先日こちらで,横浜みなとみらいで実施されている乗り捨てレンタサイクル,Baybikeを体験したので紹介しましたが,ちょうどちよくるを体験する機会がありましたのでこちらで続報として紹介します.

 11月30日(日)新橋で,デ・キリコ展を見たのがきっかけでした.
 キリコ展,良かったので画集が欲しくなりました.
 図録派ではないので,別の画集を会場外で検索したところ…あまりに少なくしかもお値段が高い!
 もちろん中身を見ることは出来ない!
 (会場で中身を見て購入を決めた本についてはこちら)
 ひらめいたのは,古書の街神保町!
人通りも少ない午前中の銀座
理化学書を扱っている店は少ないのですが,音楽や美術,文学などの文化系のお店は沢山ある!ということで急遽ちよくるで出撃決定!
 ちよくるのページはこちら.

 あらかじめ登録はしておいたのですが,近くの場所を探し有楽町の東京国際フォーラムに最寄りのポートがあるということで移動開始しました.
 新橋と有楽町は一駅の区間ですが,銀座を歩けばそれほど問題のない距離.
 銀座というハイソ?(死語)な街とは普段関係ない生活をしているのですが,昔取った杵柄,と言うやつで土地鑑はバッチリあるので,颯爽と?銀座の街を通り過ぎていきます.
 昔(10年以上前)に比べるとブランドショップが裏通りまでに進出しており,さすがに街は様変わりしていました.
 さて,20分ほどで東京国際フォーラム(ポート番号D03)に到着.
東京の街(信号待ちの間撮影)
ポートは見つかったものの、借り出し機がない…と思ったら,

 ちよくるは電動アシスト自転車、と言うことで借り出しユニットは本体直づけでした.
 シートの高さを合わせて(重要)、有楽町の街へ乗り出します.
 と,ここで物欲の虫が騒ぎ出し…急遽秋葉原を経由することに決定!

 かつて自分の自転車で東京を走り回っていたせいか,他人の自転車で走ってみるとなぜか変な感じがしました.
 さて、ここでも土地鑑を活かし東京駅の八重洲口側を通り過ぎた後,中央通りへ出て日本橋を通り抜けて秋葉原へ.
 
 秋葉原のポートははずれの方にある公園を選択しました.(C10)
 
 Baybikeの様に貸出機を別置きする必要がないので,こちらの方が設置の自由度はあるようです.(置くだけ&電源敷設のみ)
 そのせいか,ポートの所在地を示すわかりやすい看板などはなく,GPS付きのスマホを持たない私にとってはポートに近づいてから実際のポートにたどり着くまでに時間がかかりました.
ちよくるのポートC10芳林公園にて
たとえて言えば,ちょっとした宝探し気分(オリエンテーリング気分)です.
 ここのポートで言えば公園についてから反対側の入り口に見つけるまで時間がかかりました.
 
 一応社会実験中と言うことですが,案内板の設置は改善ポイントではないかと思います.

 返却後に表示された時間は24分,ということで基本料金の100円で終了.
 結構とばしましたので(自転車についている速度計で30km:ロードレーサーの方よりチョイ遅いぐらい:以上出している)少々疲れました.
この距離であれば普通の方はもっと時間がかかり,電車賃以上となりますので節約が主目的の方は要注意です.

 さて,秋葉原でお目当てのガジェットをさがして歩き回っている間,思ったより足に疲労が来ていることに気が付きましたが,かまわず再び同じポートから神保町(B03)へ向かいます.
 ここで,電動アシスト付きを活かして,淡路町経由の坂なしルートではなく,駿河台の丘を経由して向かいました.
 自宅に同様の自転車があるのですが,坂を上ることは滅多にないので坂に対するアシストは頼もしく,比較的楽にお茶の水駅まで上がることが出来ました.
 さて,順調に坂を下りてポートそばに来たのでオリエンテーリング開始.
 出発前にタブレットで確認したっきり地図を見ていませんでしたが,見つけることができずサイトにアクセスしてやっと発見.通り1本手前で探していました.

 この辺はよっぽど知っている場所でなければ地図アプリで確認しながら走行しないと時間ばかりかかりますので要注意です.
手にした図録
まあ,本来の目的は千代田区内に住んでいる方,仕事をしている方向けなのでやむを得ないのでしょうが….
 さて,肝心の目的ですが,やはりデ・キリコの画集はほとんど見つからず,見つかったのはなんと今回の展覧会の図録でした.
 と言うわけで結局図録を定価以下で手に入れることになりました.
 図録を神保町で探したことはなかったのですが,かなりの種類があることを確認.
展覧会で図録を買わずに後悔した方は訪ねてみるのも良いかもしれません.

 さて,最後は少し遅い昼食を,神保町交差点そばのはなまるうどんでいただき,神保町を後にしました.
  
 ちよくるは設置の関係上,区の管理している公園などにポートがあり,観光スポットやそのそばにあるBaybikeとは異なるため,私のような外部からくる者は行き先のポートを探すのに手間取ることがあります.
 スマホで位置を確認しながらと言っても走行中には見ることが出来ないため,(スマホながら運転は危険ですので禁止です)この「探す」という行為を楽しめる人向けとも言えます.
 
 また,神田→北の丸公園,神保町→秋葉原,神保町→有楽町など,比較的距離が短く,かつ乗り換え無しで行けないルートに使ってみるのは面白いかもしれません.

 探すと言う行為を逆手にとってサイクルオリエンテーリングが出来ますね.
 チェックポイントは決められたポートで,返せば携帯にメールが来るのでゴール後に確認も可能です.
 交通安全には気を付けなければいけませんが,だれか開催してくれないかなぁ….